浮浪者のおっちゃんとおばちゃん

「誰もなりたくて、なったんと違う!」

よく聞く言葉です。この話題になると

定型文のように、このフレーズを聞きます。

この言葉の裏には、救いが全くない。

僕はこのフレーズが嫌いです。

何も起こらないからです。

1ミリたりとも救いのないこの言葉は

最高に、さみしい言葉でもある。

僕は別に「偽善」でそう言っている訳でもないし。

「偽悪」で「浮浪者」と軽蔑しているわけでもありません。


誰が好き好んで熱い路上で汗まみれ泥まみれ

ホコリまみれになりたいのか?

誰が好き好んで寒いアスファルトの上で寝転び

カチコチの黒ずんだ手足を段ボールの上に投げ出したいのか?


信じられないほどの大金持ちもいる。

浮浪者のおっちゃんとおばちゃんもいる。

善意のみの優しい人が殺され、悪意のみで生きていた人が

天国に行く場合もある。

だから、なんだってことですけど。

たまには今そこに居る自分に唾をかけ、しょんべんをかけ、

褒めて、怒って、笑って、微笑んで、いろんな人の感情を想像できる

能力を持った生き方がしたいと思いました。

だから、なんやって感じですけど。