信号待ちにて

またまた会社帰りの出来事。

東京駅に向かう途中に何カ所かの信号。

横断歩道の直前で「青」を待つ俺。

隣に少し趣のある、おっちゃんひとり。

なにかぶつぶつ独り言。

急に俺に話しかけるおっちゃん。

「お兄ちゃん、歩くのはやいね。

これは性格。仕事も早いはずだ」。

「そんな早かったですか?僕?」と俺。

「ああ、早い。これは性格だ」。とおっちゃん。

「青」に変わり、僕はおっちゃんをまたもや置いてきぼり。

歩きながら、少し考える。心の中でこうつぶやき、半笑い。

「確かに俺は歩くのが早いんだろう。仕事ものんびりよりは

テキパキ派だろう。でも雑」。

半笑いのまま、おっちゃんとの距離が増々広がっていった。