今年のクリスマス

ソワソワでもなく、適当でもなく、

寒くもなく。

今日は、クリスマスイブ。

素直になれない年齢は通り越し、人並みに

何かを待っている。


会社帰りの東京駅までの道。

女性のホームレスがいた。

体中にビニル袋を巻き付け、寒さに備えている。

僕らを見る目つきが恐い。

その女性を見る僕らの目つきが恐いからなのか?

クリスマスイブの夜も、明日も、明後日も、正月も、

彼女はビニル袋を巻き付ける。

救いとか平等とか平和とか聖なる夜とかビニル袋とか。

一人で過ごす。

二人で過ごす。

友達と過ごす。

ビニル袋を巻き付ける。

救いとか平等とか平和とか聖なる夜とかビニル袋とか。

リアルな日常は季節に関係なく、そのへんに転がっている。

メリークリスマス。されど、ビニルな夜。