いざ、ダライ・ラマ14世(第二部)


まず、お話のマクラとして法王が言ったことが
今回一番印象に残ってるかな。

こんなことを言いました。


『今日ここに来てくれた人の中には、私がものすごく
スピリチュアルな力を持っていて、人を癒す力があると
思っている人や、今の自分に対して何かしらのメッセージを
与えてくれるかもしれないと考えている人がいると思います。
しかし私は一修行僧であり、そのような特別な力やスピリチュアルな
能力はありません。
むしろ私は、そのような能力や力に対して人一倍、懐疑的であります。
言い方を変えると、すごく科学的であり論理的な考え方をしています。』



僕(たち)は宗教に対して『ある種の神秘』をそこに見ている気がします。
『ある種の神秘』とは、法王が冒頭に言った『超能力』的なことです。

しかしこの会場に来ている誰もが内包しているであろう期待感を
あっさりと否定し、『科学的』という言葉を用いて『因果応報』を仏教的
に説明し、自分の立場を定義づけたように思いました。

仏教のことは良くわかりませんが、このシンプルで虚無的な考え方に
カッチョよさを感じました。

(第三部につづく)